シャッフル・クッキング

                    by 真紀さん

ユーリが、パンを作るようになって、早1ヶ月・・。
私は、ユーリが作ったパンを毎朝食べていた・・。
はっきり言って、とてもまずい。
だが、今は、ユーリが妊娠中。
おかげで、ユーリが作ったパンを食べなくて済むので、ほっとしている。

だが、再びユーリのまずいパン・・・いや、朝食を食べる事になるとは、その時私は思わなかった。

五年後・・・・・・・・・
ユーリが再び料理を作る理由はこれだ。
デイルとピアが生まれて、二人ともやんちゃにはしゃいでる。
だが、みんなで朝食を取っている時に、二人がユーリに「母さまが、作った料理食べてみたい」と。

私は、二人の発言にびっくりして、むせた。
側近達も、びっくりしている。
ま、まずい!!
また、私は、ユーリのまずいパンを・・いや、朝食を食べないといけなくなる。
迷惑をするのは、わたしだけじゃない。
デイルとピアが、お腹を壊す可能性がある。
これだけは、避けなければ・・・・・。

しばらくの沈黙。
最初に口を割ったのは、私だった。
「デイル、ピア。母さまは、忙しいから、そんな無理を言っては、ダメだ」
頼む!!このまま引き下がってくれ。
「え?じゃぁ、だめなの?」
「なの?」
二人は、泣きそうな声で、ユーリに、返事を求めている・・。
このままでは、大声で泣くかもしれん。

「いいよ。」
ユーリは、あっさりと笑顔で答えた。
わたしは、胃がキリキリした。
おまけに、頭まで痛くなった。
「ほんと?じゃぁ、約束!!」
デイルとピアはとても嬉しそうだ・・。

子供達は、ユーリの料理を一度も食べた事はない。
ユーリの朝食をデイルとピアが食べて、二人とも、どう答えるんだろうか?
子供は、正直だ・・。
「まずい」といえば、ユーリが泣くだろうし、後で、私が、
「母さまの料理がまずいから、取り消してもらっておいで」
と言えば、子供達は、そのことをユーリに報告するだろう。
子供達は、あったことを全部ユーリに話すので、言うとかえってまずい。
この方法も、ユーリが泣く。
私は、どうしたら、
妨害できるのか?
寝坊させてみるか・・・・・。
だが、今、ユーリは月のものだから、ユーリに拒まれるのは、目に見える。

私は、どうやったら、妨害ができるのだろう・・・。
誰か、方法があったら、ぜひ教えてもらいたいものだ。

   結局、方法が見つからず、夜になった。

「明日は、早起きしなくちゃね」
ユーリは、嬉しそうに私に言ってくる。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
私は、とても焦っていた。
このままでは、朝がすぐに、きてしまう。
何か、方法は、無いのか。
いつも間にか、ユーリは、眠っていた。
私が、悩んでいるのも知らずに・・・・・。
私は、ユーリをきつく抱きしめながら、
横になった。
ただ、考えるのは、「どうすれば、朝食を作るのを妨害できるか」だ
・・・・・・・・・・・・・・・・!!
そうか!このまま、きつく抱きしめて、抜け出せないようにすればいい。
どうせ、ユーリが起きても寝むったふりをすればいい。
私は、方法が見つかって、深い眠りについた。

     そして、翌朝。

ユーリが目を覚ましたようだ。
ユーリが、私の手を、解こうといているが、誰が解くものか。
どさくさにまぎれて、さらにきつく抱きしめた。
私は、一向に眠っているふりをした。
よし!しばらくこうしておけば、
ユーリは、起きれないだろう。

だが、私の作戦は、失敗した。
失敗させた理由は・・・・・・・・・・・・・デイルとピアだ。
なんと、寝室に入ってきたのだ。
「母さま、父さま、おきて」
「おきて」
二人は、寝台によじ登り、私達にしゃべりかけてきた。
私は、冷や汗でいっぱいだった。
それに、まだこのままでいたい。
ずっと、デイルとピアの声を無視し続けた。
とうとう、ピアとデイルが泣き出した。
泣きながら、二人は、私をさすってくる。
頼むから、私を起さないでくれ。
そして、だんだん泣き声が大きくなってくる。
「カイル、そろそろ起きてよ」
ユーリも、一緒になって、言ってくる・・・。
そして、デイルとピアの声が廊下まで、響くような声の大きさにしながら、泣き続けている。
ユーリの料理を食べるくらいなら、まだ、泣かれてた方がましだ。
私は、このまま無視しようとしたが、今度は、ユーリが泣き出した。
さすがに、ユーリの涙に弱い私は、たくさんの覚悟をして起きた。
やはり、ほれた弱みってやつか・・・・。
「何を泣いている」
理由を知りながら、私は、言った。
「も〜〜〜、早く起きてよ〜」
「起きてよ〜〜〜」
「だからと言って、あんなに大きな声で泣く事はないだろう?」
「ごめんなしゃい・・」
ユーリは、涙を拭きながらそっと、部屋を出て行った・・。
私は、デイルとピアをあやした。

そして、いよいよ、ユーリの料理を食べる時になった。
恐ろしいのは、子供達の反応だ・・。
ユーリの料理のまずさに、子供達は、もしかしたら泣くだろう。
それに、ショックでユーリも泣くだろう。
対応に困るな・・・・。

「わ〜い」
と、のん気に、子供達は喜んでいる。
・・・・・・私の気も知らないで・・・・。
パク。
子供達は、ユーリの料理を食べだした。
私は、子供達をずっと、見た。
「おいしい〜〜〜」
「父さま、おいしいよ?」
私は、デイルたちの反応にびっくりした。
ユーリの料理がおいしい・・・・・だと?
疑うように、私も、食べてみた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
これのどこが、おいしいのだ?
「どう?おいしい?」
ユーリは、聞いてくる。
「あ、ああ。おいしいよ」

 朝食終了後。

私は、疑問と不安でいっぱいだった。
どうして、ユーリの料理がおいしいのだ?
デイルとピアの味覚がおかしいのではないか?
だが、今まで、まずい物を食べさせてはいない。
それとも、無理して言ったんだろうか?

それに、きっと、毎朝ユーリの朝食を食べる事になりそうだ・・・・。

                        ちゃんちゃん♪

       

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