保温中

                 by温暖屋マリリンさん

「う・・ん」
 目が覚めたとき、「あれ」と思った。
 ここは、私の寝台。いつものとおりカイルは私に腕を巻き付けて眠っている。
 が・・・・ しかし・・・・いつ、寝台に来たんだろう。
 覚えがない。血の気が引いていく。なぜ覚えがない?
 昨日はお酒を飲んではい・な・い よね。
 確か昨日は、・・・・
 そうだ!、仕事が終わった後に雪だるまを作っていたんだ。
 そしたら、カイルがやってきて・・・・
 思い出した。カイルが「暖めてやろう」と言って、二人で湯殿へ行って・・・・・
 全身が赤く染まるのを感じる。
「きゃあぁぁぁぁぁ!」
 心の中で思いっきり叫び声をあげる。昨夜の私はかなり・・・・・。
 そっとカイルの方を見ると、カイルの瞳が私を見つめていた。
 うっ、いつから見られていたんだろう。
 私と目があったカイルはにやりと笑い(あれは、にっこりではない。絶対)
「青くなったり、赤くなったり忙しいことだな。」
 と言った。

「誰のせいだと思っているのよ!」
と言いたかったがカイルのせいばかりではないことに気がついて、慌てて言葉を飲み込んだ。
 あの後気を失った私をカイルが運んでくれたわけで・・・
 ああっ、裸をみられたあ〜って今更だけど・・・・・
 上掛けで顔を隠そうとした私の腕をカイルは掴み
「今日も雪だるまを作りに行くのか?」
といたずらっぽい瞳で聞いてきた。
「い、行かないわよ!」
「そうか、それは残念だ。」


 今日も子どもたちは雪遊び
「わあ、かあ様が作ったの大きな雪だるまだねえ。」
「かあしゃま、しゅごおい」
 デイルとピアは大喜び。
「かあ様、寒かったでしょ。」
「しゃむかったよねえ。」
 デイルもピアもやさしい子に育ってくれてとほろりとしたユーリだが、次の言葉に硬直した。
「で、とうしゃまにどうやって暖めてもらったのお?」
「この前は忘れちゃったって言ってたけど今日はまだ覚えているよねえ。」
 きらきらと目を輝かせて聞いてくる子どもたち。
「「ねえ、教えてえ〜」」


「どうした?雪だるまが気に入らなかったのか?」
「あっ とう様。そんなことないよ。」
「とうしゃま、きのうねえ、かあしゃまのことどうやって暖めてあげたのお。」
「えっ?」
「かあ様、教えてくれないんだよ。」
「そんなに知りたいのか?」
「「うん、しりたあーい」」
「じゃあ、一緒においで。教えてあげるから」
「「わーい」」

 ちょっとカイル何を教える気なの。
 デイルとピアを連れていくカイルを呆然と見送った。
 まさか・・・・


「かあ様」
「かあしゃま」
 真っ赤な顔をした二人が帰ってきた。
「僕たち今度から遠慮するからね。」
 こくこくとピアも頷く。
 いったい何を教えてもらったのか。不安だ。

                   おわり?

     

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