おことわり。この作品は、BBSのどんどんさん、みるさん、なずなさんの感想文サロンに触発されて書かれたものだそうです。創作に刺激を与える感想文サロン。素晴らしいですね。でも、奥行きです、ひねもすさん。「カイルの女性遍歴について、カイル自身はどう思っていたのか」まあ、今回は後悔しているはずです。

【昔のことだよ・・・】

                     byひねもすさん

カイルの唇がつつつ・・・と首筋に。
カイルの指がさささ・・・と胸元に。
いつものような夜が過ぎていこうとしていた。
優しく、愛の証明をしてくれるカイルの腕の中、ユーリは幸せを感じていた。

ああ、こんな幸せをあたし以外の誰が感じたことがあるんだろう・・・・・。
そんなことを考えていたとき、ユーリはあたりまえのことに気がついた。

「ねえ、カイル。今までどれくらいの女性と遊んだの?」
「え?」
「何人とこういうことしたの?」
なんで、急にこんな話題に?!カイルは焦った。
「今はおまえしか愛していない」
「それじゃ答えになってないよ。多すぎて、もう忘れた?」
カイルは慌てて、ユーリの口をふさごうとした。
「ちょっと、ごまかさないで!忘れたんでしょ!」
ユーリは、口づけしようとするカイルの両頬を引っ張った。
「ご、5,6人だ・・・・・・」
口と頬が横に伸びたカイルは、必死で答えた。
「嘘だね。ハットゥサ一のプレーボーイが5,6人?ははは、カイル、嘘つくのへただね。」
笑顔のユーリの目は、笑っていない。
ユーリの手を捕らえ、真剣に言うカイル。額には汗が光る。いつもの汗とは違う汗だ。
「いや、おまえと出会ってからは清らかに過ごした。
おまえと初めて結ばれるまでの2年間は1人も相手にしていない。」
「でも、2年前までやり放題・・・・・・・」
ユーリの脳裏にいろんなことが浮かんだ。

あ〜んな格好、こんな格好。
あんなとこ触れ、こんなとこ触れ。

カイルの唇、ばっちいな。
カイルのおてては、ばっちいな。

「カイル・・あたし、ちょっと気分が悪いから、もう止めてくれる?」
背筋も凍るユーリの言葉。
「どうしたんだ!ユーリ!おい、途中でそれはないだろう。」
「ちょっと止めてよ。汚いな。さわらないで」
「汚い?おい、ユーリ?突然どうしたんだ!おい!ユーリ〜〜〜〜〜」
悲劇の皇帝を寝台に置き捨てて 、寵姫は去って行った。


ああ、乙女の潔癖・・・・。
愛は綺麗なだけじゃない。
それを知って、本当の女になっていく。
ああ、ユーリ。
病気にならなかっただけ、めっけもん。
彼女がそう思える日は来るのか。    
                    
                        (おしまい)

    

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