ぬくぬくウインター

                         by 暖房屋マリリンさん

「ねえ カイル お仕事終わったーー?」
 ユーリが執務室に顔を出す。
 最近、ユーリは執務室へ私のご機嫌伺いに来てくれる。
 これは、うれしい。
 どんなに、山積みの仕事があってもまったく気にならない。
 いくらでも、こなしてやる。ドンとこいと言う気持ちだ。
「ああ、終わったよ。」
 と言えば、ぱっと花が咲いたような笑顔をみせてくれる。
 かわいい、この笑顔を見るためにがんばる。
 自然、仕事に熱が入る。入れば早く終わる。
 もしかして、もう愛されていないのではないか。
 捨てられるのではないかと怯えた日々が嘘のようだ。

「イル・バーニ これで仕事は終わりだな。」
「はい、陛下。今日は、これですべて終わりです。」
 さあ、ユーリもういつ来ても大丈夫だぞ。

 ねえ、陛下気が付いてみえないのかしら?
 さあ、どうかしらね?
 どうでもいいんじゃない、ユーリ様と朝まで一緒にいられるなら・・・・

 そうなのだ。
 夏の間「暑い 離して 寄らないで」と言っていたユーリ様、冬になったら陛下にべったりくっついている。
 ハットウサの寒さは厳しい。
 それから、逃れるためにはカイルの側が一番と言ったとか、言わないとか・・・


 陛下をゆたんぽがわりに使えるのはユーリ様だけだろうな
 そんな側近達のささやきに気がついているのか、いないのか
(ま、そんなことはどうでもいいのだろう)

 カイルは執務室の扉が開くのをいまや遅しと待ちかまえていた。

                      おわり

      

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