ナッキー☆ネバーエンド
                          byひねもすさん



そうか、初めからやり直せということか、ウルヒ!」
 ウルヒの最期の言葉の意図を汲み取り、ナキアはユーリの服を見つめていた。
 そのとき、ナキアの背後から耳慣れた声がした。
「ナキアさま、こんなところにいらっしゃったのですか?」
 いつも何のかんのと小うるさいことを言う古参の侍女ヒネモスが大きな風呂敷包みを背負い、ほっかぶりをして立っていた。
「良いところに来た。おまえ、この服をユーリに着せるのだ!」
「え?!嫌ですよ・・・(また、面倒なことは私に押し付けようとなさるんだから。
どうして、姫さまは昔から変わらないの・・・。)」
「何を言っている!一発逆転できるかも知れないのだぞ!ユーリに着せて来るのだ!」
「ヒネモスには、無理でございます。ナキアさまご自身でイシュタル様をふんじばって着せてください。屈強な衛兵、殺しまくっていたんだからイシュタル様くらい楽勝でございましょう?」
 長い年月仕えてきたせいか、言葉使いが少々ぞんざいになってきていたヒネモスだった。
 だが、水で濡れて体の線が透けて見えるナキアを見てヒネモスは背負っていた風呂敷を地面に置き、結び目を解いた。
「よっこいしょ。ナキアさま。もう、お若くはないのですから、そんな格好でいるところを見つかったら、タレ乳だのデカ尻だの言われますよ。まったく後宮の侍女は口さがないから・・・・・。それに、お腹をこわされますよ。さあ、逃げやすい服にお着替えください。」
 ヒネモスは、お手製のつなぎの服とナキアのイニシャル入りの腹巻を出した。
「おまえ、センスないぞ!」
「こんなときに贅沢言わないで下さい。あ、腹巻もちゃんとつけてくださいませ。そんなことより、衛兵達が血眼になってナキアさまを探しておりますよ。イシュタル様のことは今は諦めて、さっさと逃げましょう。ナキアさまの怪しげな薬を作る技術があれば、どこへ行っても食べていけます。ヒネモスがそのお薬を行商しますから、‘ナキアさま&ヒネモス商会’を興しましょう。成功してバビロニアもヒッタイトも丘の上に来なかった桜井君も見返してやるのです!!」
「桜井君・・・・おまえ、17年も前のことを根に持っているのか?」
「お互い様です。ナキアさまも根に持つタイプじゃありませんか・・・。」
「でも、ジュダをこのままにしては・・・」
「大丈夫ですよ。皇帝陛下はお優しい方ですから。それより、ナキアさまがうろつく方が、ジュダ殿下に悪影響が出ると思いますよ・・。さ、大金持ちになって戻ってきましょう。」
 ヒネモスは、風呂敷包みを再び背負うと、ナキアの手を取って言った。
「さ、姫さま。参りましょう!ヒネモスは、昔のように『姫さま』とお呼びしますよ。」

 ヒネモスは17年前よりもお肌も衰え白髪もちらほら出てきたが、あの頃の笑顔でつ
なぎの服に腹巻き姿のナキアに微笑んだ。  
「さ、姫さま!」

                〜この後、どうなるのでしょう?〜


     

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